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 本年のLIFE2024は,はじめて公益社団法人 日本生体医工学会の生体医工学シンポジウムと並行開催いたします。医工ものづくりコモンズを発足された,医工連携を推進された故 北島政樹先生が常々,医工連携は多くの異なる分野の連携が必要であるが,その関連する多くの学会,研究会が存在する。これらが連携することが重要であるが,個々の研究者にとってすべての学会,研究会に参加することは不可能である。また個々の学会,研究会はその目的,活動形態にそれぞれの独自性がありこれをまとめることは難しく,またそれを敢えて行うことはその多様性を失わせてしまう。医工連携ウィークのような期間を定め多くの学会・研究会が隣接した期間,同じ場所で行うことで,1日か2日出張日程を伸ばすだけで容易に関連する学会に参加することができるのではないか,とおっしゃっていらっしゃいました。
 COVID-19によりオンライン学会が行われ,現在もHybrid形式の学会が開催されて,その参加の容易さという観点からは新しい価値が生じています。しかしオンサイトで物理的に研究者が交流する場の重要性も再認識されています。
 ところでもう忘れられた言葉になったかもしれませんが,COVID-19の世界的な蔓延が生じる前に「飛び恥( flight shame)」という言葉がありました。これは2018年にスウェーデンで始まり、翌年北ヨーロッパ全体に広がった飛行機の利用に反対する社会運動であり,炭素排出量を減らして気候変動を阻止するために、人々に飛行機の利用を思いとどまらせることを目指していました。この社会的気運を受けて学会の活動を効率化すべきだという議論もありました。この議論はCOVID-19の蔓延により強制的に移動が制限されたことで忘れられたのかもしれません。
 このような背景から,学術多様性を維持しつつ学会活層の効率を目ざした新しい試みとして,今回はあえて東京大学の小林英津子先生が主催される生体医工学シンポジウムとLIFE2024をその独自性を維持しつつ同時開催することとしました。それぞれの学会に関連する学術集会への容易な参加を促し,両学術集会にこれまで参加されてきた研究者の方々には,学術大会参加の効率化を可能とすることを目指し,同時開催を企画しました。類似するがやや異なる分野の連携による恩恵はライフサポート学会,日本生活支援工学会,日本機械学会が合同で開催してきたLIFEのこれまでの実績から広く認識されていることであり,日本生体医工学会との連携を行うことで,学術の多様性がその必須要素である医工連携分野の研究の推進にさらに貢献できるのではないかと期待しています。
 特別講演として,この4学術団体の関係者にとって共通の関心があるであろうというテーマとして,文部科学省科学研究費 新学術領域研究「超適応」の領域代表をされている東京大学の太田順先生,神経工学を長年研究されてきた東京大学の神保泰彦先生,IoT機器スマートフォンを用いた生活習慣病の治療用医療機器ソフトウェアの開発と社会実装を進められている東京大学の岸暁子先生の講演を企画しています。
 グラハムベルの言葉に「ときには踏みならされた道を離れ、森の中へ入ってみなさい。そこではきっと、あなたがこれまでに見たことがない、何か新しいものを見出すに違いありません。」というものがあります。類似しているがやや異なる学術集会に参加する経験を楽しんでいただければと思います。
 東京大学本郷キャンパスに多くの皆様の参加をお待ちしております。

ライフサポート学会
大会長 東京大学 佐久間一郎

告知ポスター

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